今回は、「高野山」から「那智勝浦」まで和歌山県を南に縦断、移動と観光を含め約7時間、約140キロを車で移動したドライブ旅行記です。
私たちは、和歌山の自然と世界遺産を最短で満喫するため、「高野山」をスタート地点とし、車で「那智勝浦」まで観光をしながら南下しました。
「熊野三山」の「熊野本宮大社」「熊野那智大社」「那智の滝」を経由、「熊野参詣道」の中でも石畳の道で有名な「大門坂」へ行き、その後ホテルのある「那智勝浦」までの移動が今回の主な観光ルートです。
自然も世界遺産も満喫できる「高野山」から「那智勝浦」までの欲張りドライブでした。
ドライブでの旅は自由がきくので、自然も世界遺産も最短一度に満喫できます。また、山登りをする体力、時間のない方におすすめです。
前半に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について、後半では、主に私たちが車で通った「高野山」から和歌山を南下する観光ルートなどをご紹介します。
「紀伊山地の霊場と参詣道」への旅を考えている方、また、移動手段を迷っているという方は、是非ご覧ください。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」とは
「紀伊山地の霊場と参詣道」は1972年にユネスコの世界遺産として登録されました。
紀伊山地は和歌山、奈良、三重の3つ県に属している2,000メートル級の険しい山々に囲まれた土地です。
古代神話の時代から神々が宿る特別な地域であると言い伝えもある「紀伊山地の霊場と参詣道」。
ここには2,000年前に空海弘法大師が高野山を真言密教の聖地としてから、高野山をめざす多くの修剣者が山岳修行の道として行き交う険しい山道があり、これが「参詣道」と言われています。
最大の関門は「高野山」から「熊野三山」までの道のり
和歌山を車で縦断する際の最大の関門は、なんといっても「高野山」から「熊野三山」までの横断を伴う南下です。
県道734号がネックとなり、山を越え、狭い山道を進む長距離ドライブになりました。
最初の目的地「熊野大社」までのルートは、私たちが進んだ県道734号を経て国道168号に進むルートと、県道53号から国道168号に進む県道の横断が険しいルート、和歌山観光協会も推奨している高野龍神スカイラインで南下するルートの3つがあります。
- 県道53号(高野天川線)→国道371号(熊野古道小辺路)→県道734号→国道168号…所要時間 約1時間55分
- 県道53号(高野天川線)→国道168号…所要時間 約1時間50分
- 県道53号(高野天川線)→国道371号(熊野古道小辺路・高野龍神スカイライン)→国道425号→県道198号→国道311号→国道168号…所要時間 約2時間30分
私たちの進んだルート
Googleマップに表示されたルート
高野山から那智勝浦へ和歌山を南下するため東へ進み、国道168号に入る必要があります。
Googleマップで表示されるルートは他のルートに比べ一番短時間「熊野大社」に到着できますが、先ほどの経路と同じように、険しい道のりを横断しなければなりません。
お寺の方にお伺いしたところ、国道168号まで、県道53号(高野天川線)を川沿いに進む山道が非常に険しい道だということでしたので、私たちは、この道を使わず、そこそこ険しい道と言われ、県道53号と並行するように並ぶ県道734号を使い、国道168号に進んだのですが、今振り返ると、Googlemapに表示された道も、私たちが進んだ道も、険しい道という点では、どちらもさほど変わりはなかったように思えます。
おすすめルート
今回、私たちは使いませんでしたが、おすすめは、国道371号の「高野龍神スカイライン」を通るルートです。(※ただし、12月15日~3月25日までの冬季期間中は通行規制があるのでご注意ください。)
私たちが県道734号、国道168号のルートを選んだのは、山のドライブが好きだということと、時間と距離を考えたからという理由もありますが、想定外だった部分もあり、安易で下調べ不足だったと反省しているところもあります。
観光協会の方、地元の方が勧めている高野龍神スカイラインの方が、少し遠回りになったとしても、安心・安全な道であることは間違いありません。
特に雨が降った後などは山が崩れるということもあるようで、通ってきた道は工事中の箇所を何か所か見かけました。
降水量の多い地域です。崖崩れも多いかもしれないので十分な注意が必要です。
下記地図の青い線が、県道53号から国道168号で熊野本宮大社に行くGoogle推奨ルートで、グレーに表示されている方が高野龍神スカイラインです。
高野龍神スカイラインの通行規制
例年通り、高野龍神スカイラインは、2022年12月15日17:00から2023年3月25日07:00まで積雪・凍結などによる路面の事情から通行規制が行われています。
規制内容
全車両:昼間(7時00分~17時00分)冬用タイヤ着用及びチェーン携行
全車両:夜間(17時00分~翌日7時00分) 全面通行止め
※二輪車は終日通行止め
お問合せ先
伊都振興局建設部 (管理保全課)(tel)0736‐33‐4934
7時間のタイムスケジュール
さて、ここからは、実際の7時間ドライブのタイムスケジュールをお伝えしていきたいと思います。
09:00「高野山」出発
お世話になった福智院に別れを告げ、熊野三山に向けて出発です。
福智院は、写真にも映っているように電気自動車の充電設備まである近代的な一面もあるお寺でした。
十津川沿いの国道168号を走ります。
ちらほらと白い点のように見えるのはさくらです。
途中十津川は熊野川に合流します。
この日の天候のせいか、靄がではじめ、熊野川がなんともいえない雰囲気をかもしだしています。
気になったのが水面の高さです。
これはダムではなく川ですよねと問いただしてしまいそうになるほど道路の位置に近い高さでした。
11:00「熊野本宮大社」
熊野信仰の中心であり、主祭神がスサノオノミコトである、世界遺産「熊野本宮大社」鳥居前に到着。
写真では見えにくく残念ですが、狛犬がマスクをして、熊野詣の人々にマスク着用を呼びかけています。
お辞儀をして鳥居をくぐると、そこには見上げるように連なった158段の階段がありました。
階段の上まで続く白い旗は、奉納のぼりで、皆様に応援されている神社であることの印でもあります。熊野本宮大社への信仰の厚さがうかがえます。
御社殿はちょうど行事の真っ最中で、写真撮影は禁止だったため、熊野本宮大社の写真は残念ながらここまでです。色鮮やかな舞を見ることができた貴重な体験でした。
13:30「熊野那智大社」
熊野那智大社まで坂道をぐんぐん上り、車を停めるため「那智観光センター」の駐車場を目指しますます。ここはお土産物屋さんがあり、喫茶スペース、無料の休憩スペース、トイレもあります。
那智山勝浦線(県道46号)の終点、突き当りにあります。一般車両は70台停められます。
※通常の駐車料金は無料ですが、繁忙期といわれる、年末年始、ゴールデンウィーク等の大型連休時は有料駐車場となり500円かかりますのでご注意ください。
停められない場合は「那智山観光センター」までの道の途中にいくつか有料の駐車場があります。こちらは「那智の滝」に近く、有料ですが便がいいです。
バスは1時間に1本くらい、紀伊勝浦行きの南海バスは、石畳で有名な大門坂も経由します。
時間を見て観光するといいですよね。
駐車場から少し来た坂道を戻ると熊野那智大社への入口があります。
参道の入口を上りひたすら階段を上ります。
熊野那智大社までの階段は467段です。
まだまだのぼり続けます。
ようやく那智大社の一の鳥居が見えてきました。
青い空に映える、鮮やかな朱色の二の鳥居が見えてきました。
世界遺産「熊野那智大社」の立派な拝殿にお参りしました。
写真左手香炉側の黒い柱の上にとまっています熊野の神様のお使い、よい方向へ導くお導きの神ともいわれている、「八咫烏(やたがらす)」は見つけられましたか?
「那智大社」のすぐ隣には世界遺産・重要文化財である「青岸渡寺(せいがんとじ)」があります。木の趣きが感じられる立派な境内です。
14:10「那智の滝」
「那智大社」から「三重の塔」までは歩いて10分くらいで行けます。
世界遺産「那智の滝」は、古くは修験者が滝に打たれる水垢離(みずごり)の場で、幅13m、高さ133m、滝壺の深さ10mの規模を誇る、日本の3大名瀑としても知られています。
「三重の塔」から「那智の滝バス停」に降りるまでの道は歩きにくい箇所が一か所ありますが、5分ほどの道です。
滝の上からは、きれいに3筋の水が流れ、それが滝壺に向かい、大きく一つにまとまり落ちていく様子が分かります。
「那智の滝」別宮の「飛瀧神社(ひろうじんじゃ)」の鳥居をくぐり抜け、しばらく進むと間近で「那智の滝」を見ることができます。
写真右手の大きな石碑は「那智大滝」と文字が刻まれています。
「飛瀧神社」そばのバス停からお土産物屋にも寄りながらゆるい上りの坂道を30分くらいかけて「那智山観光センター」の駐車場まで戻りました。
15:00 熊野古道「大門坂」
那智山勝浦線(県道46号線)を5、6分ほど戻り、大門坂バス停そばの、無料「大門坂駐車場」に車を停めます。
無料で借りることができるトレッキング用の杖も嬉しいですね。
ここには、トイレとジュースの自動販売機がありました。
歩いて7、8分、出口を出て右手側、来た道、那智山勝浦線(県道46号線)を戻ると「大門坂」の入り口が見えます。
少し歩くとかわいいコケの生えた鳥居が見えます。しなだれかかるような桜とその先の赤い橋がかわいいですね。
両サイドは民家だと思われますが、その調和がとても素敵な小路でした。
いよいよです。
よくよくパンフレットで見る「大門坂」にたどり着きました。
緑に囲まれた風情ある石畳の道。
時間の都合で途中までの散策でしたが、段差はあるものの急すぎる坂はなく、心地よくマイナスイオンを浴びながら散策することができました。
15:30 大門坂駐車場を出発
大門坂駐車場に戻り、そこから、那智山勝浦線(県道46号線)をひたすら南へ30分ほど進みました。
16:00最終目的地、那智勝浦に到着
おだやかで静かな海、風情ある港に到着しました。
海をのぞくと、小さい魚がたくさん見える、とてもきれいな海です。
4月の天候と服装について
4月上旬の和歌山の平均気温は約15℃です。
4月初旬の春の旅でしたが、曇りだったり雨が降ったりすると、肌寒く感じることもありますので、私は長袖のシャツに1枚羽織れるものを持っていきました。
紀伊山地は日本の中でも雨が最も多い地域です。
日本の平年降水量が約1,700mmなのに対し、熊野は3,000mmを超えていて、熊野に近い尾鷲では年平均値が3,800mmを超え、日本で最も降水量が多い地域になります。
雨の心配もあったので、防水の効いたトレッキングシューズで歩いたため、濡れないし、まったく疲れませんでした。傘も勿論必須ですよね。
世界遺産がある場所は、何段もある階段を登らなければいけなかったり、石段や足元の良くない道を歩くこともありますので、歩きやすい靴がおすすめです。防水効果のある靴であればもっといいですね。
・歩きやすく、できれば防水の効いた靴がおすすめです。
熊野のお酒
和歌山県新宮市の老舗の造り酒屋、「尾崎酒造」で作られているお酒です。
宿泊した「碧き島の宿 熊野別邸 中の島」ホテル内のお土産物コーナーで購入しました。
吟醸酒 熊野三山
精米歩合60%、アルコール度数16%。熊野川の伏流水と山田錦で仕上げた手作りのお酒。
まろやかな辛口です。
特別純米酒 勝浦浪漫
精米歩合60%、アルコール度数15~16%。
一本筋が通っているけどやさしい辛口というイメージのお酒。
純米酒 那智の滝
精米歩合60%、アルコール度数15度で、那智の清い清い水を使い作られています。
水のようにさらっとした飲み心地が特徴的でした。
熊野のお菓子
こちらの干菓子も勝浦に近い串本町の和菓子屋「潮ざき」の和三盆「かわけむり」です。
口の中でサクッと溶ける、軽い和三盆です。お茶はもっと濃いお茶がよかったです。お茶の色も味も薄すぎました。
あわせて行きたい観光地は「吉野山」
私たちは高野山に出向く前は奈良に立ち寄り、吉野で桜を見ていました。
吉野の山は広大で、下千本、中千本、上千本、奥千本と、開花の時期が少しづつずれているため、3月から4月の長期間にわたり、どこかしらで桜を見る事ができます。
車で1時間半くらいの距離ですので、お時間許すのであれば、旅行日程の中に組み込んでもいいかもしれません。
ドライブまとめ
これまで、「高野山」から「熊野三山」を経由し「那智勝浦」まで険道を進む、和歌山の自然と世界遺産を最短で満喫する約7時間、約140キロのドライブの旅をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
私たちは勢いで険道を進んでしまいましたが、おすすめできるドライブルートは、安心・安全な国道371号の「龍神スカイライン」を通るルートです。
海もあり山もあり、歴史がある和歌山は、景色がきれいで、見どころがたくさんあり、食べ物が美味しいところですから、車の運転が好きな方、自然・歴史・冒険好きの方には、楽しいドライブの旅になると思います。
以上、「高野山」から「熊野三山」を経由し「那智勝浦」まで険道を進む、和歌山の自然と世界遺産を最短で満喫する約7時間、約140キロのドライブの旅のご紹介でした。
「高野山」や「熊野古道」を車で旅する方の参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。