こんにちは、おなかのーとです。
夏になり蝉の鳴き声が聞こえてくるようになってきました。
そして思い出すのは小学生の教科書にも載っていた松尾芭蕉の詠った句。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」覚えてますか?
今回は、今から330年も前に芭蕉が訪れ、「奥の細道」でこの句を詠んだとされている山形県の宝珠山立石寺(りっしゃくじ)を訪問しました。
夏の山寺では、330年前にかつて芭蕉とが耳にしたそれと同じように蝉の声を耳にすることができます。
芭蕉が山寺で、何を見て何を感じてこの句を詠んだのか、想像しながら歩くと、より一層愉しみもふくらみます。
こちらでは、立石寺の詳細、登山所要時間、1,015段を歩いた先に見える、芭蕉が訪れた山寺の絶景ポイントと観光ルートをご紹介いたします。
是非ご覧ください。
「山寺」の詳細
所在地 | 〒999-3301 山形県山形市山寺4456-1 | |
問い合わせ | 参拝 | 023-695-2843 |
供養・祈祷 | 023-695-2019 | |
ガイド | 023-695-2816 | |
入山料金 | 大人300円、中学生200円、小人4歳以上100円 | |
参拝時間 | 4月-9月 | 8時~16時 |
12月-3月 | 8時~15時(閉門時間16時) | |
交通アクセス | 車 | 山形ICから車で約20分、JR山形駅から車で約20分、山形空港から車で約30分 |
電車 | JR仙山線「山寺駅」から徒歩10分 |
MAP
山寺の絶景ポイント3選
山寺の境内はどこを見ても絶景ですが、あえて3つにしぼり込みました。
- 五大堂付近からの眺め
- 仁王門付近からの眺め
- せみ塚での眺め
1.五大堂付近からの眺め
山寺の中でも随一の絶景ポイントともいえる場所です。
断崖絶壁に建立された五大堂には、密教における不動明王を中心とした5人の明王、五大明王が祀られています。
山頂からの眺めには遮るものが何ひとつなく、門前町とそれを囲む山々が一望できます。
五大堂からの帰り、開山堂に立ち寄ると見渡すことができる山寺の風景も見逃せません。
正面に見えるのは「性相院」です。
天台宗のご本尊は釈迦如来であることが多いですが、「性相院」のご本尊には、阿弥陀如来(あみだにょらい)で、運慶によって造られたと言い伝えのある、武神の毘沙門天象(びしゃもんてんぞう)が安置されています。
また、伊達政宗の生母義姫の位碑が安置されています。
2.仁王門付近からの眺め
仁王門からさらに山頂へ進むべく階段を上る道のりは、絶景スポットです。
まずは仁王門を通り過ぎ、少し階段を上ったら性相院の付近で一度足を止めてみてください。
観明院と仁王門に加え、そびえたつ樹木を眺めることができます。
また横に視線をずらすと、立石寺の中で最も古い1599年に建てられた「納骨堂」を見上げることができます。
「納経堂」には写経が納められています。
3.せみ塚での眺め
「閑さや岩にしみいる蝉の声」
芭蕉はこの句を詠み、ここに短冊を埋めて石の塚をたてたことから「せみ塚」と呼ばれるようになりました。
過去にどの種の蝉の鳴き声なのかという論争も過去にあったようで、そんな記事を読むのも面白いですね。
夏の山寺では、確かに蝉の鳴き声が聞こえてきます。
耳を澄まし、そびえ立つ岩山を見上げながら、芭蕉の詠んだ句について思いを巡らせてみるのはいかがでしょうか?
山寺観光の所要時間
山寺の登山所要時間
登山口から参道まで、休憩を含め約1時間50分程かかりました。
また、参考まで、主要観光スポットからの移動時間は下記の通りです。
- 登山口→山門 30分
- 山門→せみ塚 10分
- せみ塚→仁王門 10分
- 仁王門→奥の院 10分
- 奥の院→五大堂(展望台)10分
この先は見逃せない観光ポイントを順を追ってお伝えしていきます。
山寺の見どころと観光ルート
先に山寺の絶景ポイント3選をご紹介しましたが、見どころはまだまだあります。
見どころと観光ルートを順番にご紹介していきます。
登山口
道の中にふと現れる「山寺」の登山口です。
石碑の側面には文部大臣鳩山一郎との刻印がありました。
入り口前にある自動販売機で飲み物を購入しました。
この先山道坂道になりますが飲み物をを変える場所は自販機も含め2カ所のみです。
根本中堂
根本中堂は、延文元年(1356年)に再建されていますが、ブナ材が全体の6割も使われ建てられた日本最古の建築物で、中には慈覚大師といわれている木造の薬師如来坐像が祀られ、国指定重要文化財に指定されています。
芭蕉句碑
元禄2年(1689年)奥の細道をたどり山寺を訪れた松尾芭蕉の句碑がたてられています。
日枝神社
山寺の境内内にある日枝神社は、890年に慈覚大師が立石寺を開山した際、比叡山延暦寺の守護神日吉神社の分霊を祀り、建てられた神社です。
ここの宿坊に芭蕉と曾良が宿泊したと言われていることでも有名です。
慈覚大師が植えたと伝えられている日枝神社内の大銀杏は、樹齢1,000年を超える山形市内最大の銀杏で、現在山形市の指定天然記念物に指定されています。
昭和14年(1939年)この地を訪れた高浜虚子親子の句碑もそばに建っています。
水みくじの花がとてもきれいでした。
芭蕉・曽良像
「奥の細道」での芭蕉の句は、体調をくずすまで同行し弟子で芭蕉の身の回りのお世話をしていた河合曽良が記録していました。
曽良は、その他「曽良旅日記」という日記に地名や区間距離など旅の記録を正確にい書き留めていたといわれています。
曽良が、たくさんいる弟子の中から「奥の細道」でのお世話役として選ばれたのは、地理や歴史の知識も豊富でしっかり者であったが故。
もっとクローズアップされてもおかしくない程の才能の持ち主曽良です。
山門
芭蕉と曽良像を過ぎると「山門」。
「山門」の入り口で拝観料300円を支払います。
お守りなどもここで購入することができます。
階段をのぼることにより、煩悩が消滅するといわれているという看板が印象的。
せみ塚
芭蕉の残した句が、この地に埋められたことから、「せみ塚」と呼ばれるようになりました。
百丈岩の力強さが伝わってきます。
「せみ塚」から仁王門に向かう階段は少しきつめです。
「せみ塚」にはベンチがあるので、写真も撮りつつ少し休憩をしました。
弥陀洞
「弥陀洞」は、雨風で削られた岩が阿弥陀如来の姿にも見えるといわれています。
自然の力強さに震えます。
四寸道
山門から山頂までの道は狭い所で14センチ。
開山した慈覚大師も歩んだ道は、ここを通る誰もが通る道であることから、親子道、子孫道といわれ世代を超えたつながりを持つ道と考えられています。
この後も少し上り階段が続きます。
岩穴
仁王門の手前右手側の岩には、いくつもの岩穴やその中にある石塔に、亡くなった人のお骨が納められている。(山寺のガイドより)
仁王門
1848年に再建された「仁王門」は欅(けやき)造りで、運慶の弟子たちによって造られたといわれ、邪心を持つ人は上ってはいけないとにらみつけ、後方の閻魔王が門を通る人の過去の行いを記録するという。(山寺のガイドより)
欅(けやき)の格子の奥には仁王様がいらっしゃるはずです。
「仁王門」を通り過ぎて振り返ると、素晴らしい景色が見られます。
立石寺山頂売店
「仁王門」と「奥の院」のちょうど中間地点にある売店です。
急な階段を上った後だからこそ味わえる、シャキッと冷えたポカリスエットの美味しさは忘れられません。
タオルやTシャツなどのおみやげ物が買えます。
トイレもお借りできました。
奥の院
山寺の階段をひたすら上り、まっすぐ進んだ突き当りが如法堂で「奥の院」と呼ばれているところです。
ご本尊は釈迦如来と多宝如来で、大仏殿には5mもの金色の阿弥陀如来像が安置されています。
ここでお参りをすれば、悪縁を切ることができるとも言われています。
五大堂
奥の院から金乗院まで下り、開山堂、納経堂、そして、絶景「五大堂」まで進みます。
先にご案内したように、山寺随一の絶景スポットでもあります。
押さえておきたい休憩スポット4カ所
山寺で座って休憩できる所は下記の4カ所です。
- 日枝神社の有料休憩所
- 山門手前の有料休憩所
- せみ塚
- 山頂売店
せみ塚にはベンチのみで座れる人数が限られているのと、トイレ、自動販売機などはありません。
山頂の売店は狭いですが、ここでの一休みはお勧めです。
飲み物がキンキンに冷えています。お値段は平地で買うよりも多少お高くはなりますが、山頂にしては良心的な設定だと思います。トイレを借りられるところも大きなお勧めポイントです。
最寄りの観光スポットや宿泊先
山寺のみを楽しむという場合は、遠方からでも新幹線に乗りJR仙山線「山寺駅」から徒歩という方法もありますが、ここから荷物をもって宿へ移動したり、別の場所へ移動するのであれば、やぱり車移動が便利です。
レンタカーを借りる場合はじゃらんレンタカーが、メーカーや車種を選ぶことができ、料金も他社より安く借りられる場合もありおすすめです。
銀山温泉
銀山温泉までの所要時間は車で約1時間です。
私たちが「山寺(立石寺)」へ参拝した日の宿泊先は、銀山温泉の「古勢起屋別館」。
「銀山温泉」は、ノスタルジックな雰囲気が漂う風情ある街並みでがとてもロマンチックな場所。また、「山寺」から車で約1時間の距離にあり、アクセスがいいところも魅力的です。
天童市
天童市まで車で約30分。出羽桜美術館があり、温泉が楽しめます。
新庄市
最上川舟下りが出来る本合海港まで車で約1時間。
酒田市
おしんの舞台にもなった酒田市までは車で2時間半。山居倉庫は風情があり素敵でした。
米沢市
米沢市までは車で約1時間10分。
上杉謙信が祀られている上杉神社や上杉家ゆかりの資料が展示されている上杉博物館があります。
旅行会社を利用して予約
我が家はJTBを利用しましたが、それ以外の旅行会社でもJRや飛行機、レンタカーを付けた旅行が予約できます。
おわりに
今回は、約330年前に松尾芭蕉が訪れた山形の「山寺(立石寺)」についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
山形には庄内平野、最上川などの自然があり、その自然と気候をふんだんに生かしたお米、枝豆、さくらんぼやこんにゃくなどの名産品が生まれている宝庫です。
そんな自然に恵まれた山形にある山寺。
山を登りながら、自然を見て、歴史をかいつまみ、芭蕉の句に思いをはせるというのもいいものです。
松尾芭蕉とゆかりある立石寺「山寺」の1,015段の先にある絶景を見る旅はおすすめです!
以上、約330年前に松尾芭蕉が訪れた山形の「山寺(立石寺)」のレビュー記事でした。
山寺(立石寺)への参拝を考えていらっしゃる方、山形への観光を考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。