こんにちは、おなかのーとです。
背筋がまっすぐになるようなそんな空気とふれあう機会はありますか?
高野山一帯は、そこだけ空気の色が違い、自然と襟を正して歩いてしまうようなところ。
それもそのはず、標高約900mの山の上にある高野山は、空海弘法大師によって開創されてから1200年の月日を経た日本仏教の聖地。2004年には、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして登録されています。
今回は、高野山金剛峰寺の見どころのひとつ、千住博画伯によって描かれた「囲炉裏の間」の「瀧図」と「茶の間」にある「断崖図」のふすま絵についての記事です。
記事の前半は高野山金剛峰寺の詳細や交通アクセスもまとめましたので、よろしければお役立てください。
高野山金剛峰寺にご旅行予定の方、千住博画伯のふすま絵が気になっていたという方は是非ご覧ください。
高野山真言宗金剛峰寺について
詳細
まずは、高野山金剛峰寺の詳細を表にまとめましたのでご覧ください。
所在地 | 和歌山県伊都郡高野町高野山132 |
高野山金剛峯寺 | https://www.koyasan.or.jp/ |
高野山宿坊協会 | https://www.shukubo.net/contents/ |
観光協会問い合わせ先 | TEL.0736-56-2616 |
拝観時間 | 8:30~17:00 (受付16:30迄) |
拝観料金 | 中学生以上1,000円/小学生以下300円 |
拝観料金(5カ所共通) | 2,500円(中学生以上のみ) |
所要時間 | 1時間 |
音声ガイド | 500円 |
※音声ガイダンスは観光協会で事前に借りてから拝観時に持参します
交通アクセス
電車とケーブル
どの県から向かう場合も南海高野線「橋本駅(和歌山)」を目指すといいようです。
南海高野線「橋本駅(和歌山)」→「極楽橋駅下車」47分、南海高野山ケーブルで「高野山駅」まで5分。和歌山県の南海高野線「橋本駅」からの所要時間は約1時間です。
車
前泊した奈良ホテルからは国道24号をひたすら真っ直ぐ進みます。所要時間は約2時間でした。
地図
千住画伯のふすま絵について
こちらでは、高野山金剛峰寺にある千住画伯のふすま絵の場所、ふすま絵の公開日について、また、NHKスペシャルで見たテレビの解説と現地の解説を思い出しながら千住博画伯のふすま絵の訪問の記録をお伝えします。
場所
千住画伯のふすま絵は、高野山金剛峰寺の土室(囲炉裏の間)にあります。
千住画伯ふすま絵の公開日について
千住画伯の描いたふすま絵は、2020年10月16日から一般公開されていて、2023年7月現在も引き続き公開中です。ただし、行事のある場合は拝観ができません。
千住画伯ふすま絵の観覧不可予定日
2023年7月の千住画伯のふすま絵の観覧不可予定日は、7月25日(火)~27日(木)です。
変更が余儀なくされることもありますので、拝観予定の方はご注意ください。
また、他の場所については観覧できる可能性がありますので、あらかじめご確認ください。
(参照:高野山金剛峰寺公式HP)
色
「瀧図」「断崖図」は、約6年の長い年月をかけて描かれたふすま絵です。
青みがかった濃いグレーの背景と白い瀧に吸い込まれるようで神秘的な印象を受けました。
この背景に使われている色は群青。
何百年後までも後世に引き継ぐことができるよう、背景の色は墨を使わず、鉱石を砕いて作られた粒子状の日本画絵具、岩絵具の群青(ぐんじょう)、貝殻から作られた白色絵具の胡粉(ごふん)が、断崖図には焼群青、プラチナが使われています。
素材
キャンバスになるふすまの素材は頑丈な和紙。
千住画伯は今回のふすま絵にマッチングする和紙を探し出す事にも力を注いでいました。
特に「断崖図」では和紙を揉みこみそこに絵具をのせて崖の山々を表現する、その表現にこだわり、日本からニューヨークのアトリエまで和紙を取り寄せし直していました。
最終的に決まったものは、越前和紙の雲肌麻紙(くもはだまし)というとても頑丈な和紙。
テレビに映る千住画伯が全身の力を使って押し込まないと折り目がつかないほど固く丈夫な和紙です。
京表具の技術
テレビでは、日本の伝統的工芸品、職人の知恵と技が際立つ京表具の素晴らしさを見ることができました。
新しいふすまを貼る前に、古いふすまの和紙ををはがし下地に使う和紙が貼られます。下地に使う和紙は、収縮防ぐため、江戸時代に使われた骨董品級の古紙を利用。
テレビでは、絵をふすまに貼っていく作業に失敗は許されないから緊張するのだと、超・超ベテランであろう職人の方でさえもおっしゃっていました。
1年前にガンの手術を終えたばかりの状況でいらしゃるようでしたが、そうおっしゃる職人の方の目からは確かなる力強い意気込みが感じられました。見守る周りの方々の目や表情からも色々な思いが伝わってきて感動しました。
実際美しく貼られたふすま絵は見事です。
絵画技法
「瀧」の制作方法はダイナミックでした。
容器に入れた絵具を上から流し、瀧が勢いよく落ちる水の流れを作り、大きなスプレーで裾のしぶき部分を描きあげるという方法です。
瀧図
音を吸い込んでしまったかのような暗闇の静けさの中から、水の流れる音と飛び散るしぶきの音が聞こえてくるようです。
この空間でしばらくこの部屋を見ていた私、明け方の深い山奥、引き寄せられるように行った先の瀧で、朝もやの中その瀧から勢いよく落ちてくる水しぶきの音をじっと聞いているような、そんな感覚でいました。
断崖図
空海弘法大師が修行であるいた険しい山々の崖を表現しているのだそうです。
険しく幾重にも重なる山々、木々、崖、こちらまで迫ってくるよう。
細かい筆使いがとても繊細。
見る場所や角度によっても見える表情が変わってきます。
撮った写真の明るさの調節をしてみるとスゴイです!!色や色彩をスライドさせると色々な表情が浮き上がってきます。別路線でも楽しませていただきました。
NHKスペシャル
今回の旅はNHKスペシャルの放映に後押しされ、緊急事態宣言が解除されたタイミングでやっと決行することができました。
日本の土地、自然、芸術、伝統工芸の素晴らしさや、ふすまを創りあげた方々の情熱と知恵と技が伝わるリアリティ。
昨今、テレビ離れが加速してきていると言われてはいます。
確かにYouTubeは楽しいチャンネルが無数にあり、好きなものを好きな時に無料で見ることができ、あきることはありません。
でも、毎度のことながら、NHKスペシャルの企画・構成・取材力は群を抜いているように感じます。
再放送希望です。
おわりに
これまで、高野山金剛峯寺に奉納された千住博画伯による「瀧図」・「断崖図」の襖絵ついてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
ふすま絵「瀧図」と「断崖図」が、日本仏教の聖地である高野山金剛峯寺にしっとり溶け込む姿を見ると神秘的で言葉がみつかりません。
神秘的な高野山、神秘的な高野山金剛峰寺、神秘的な千住画伯のふすま絵。
一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
以上が、高野山金剛峰寺の見どころのひとつ、千住博画伯によって描かれた「暖炉裏の間」の「瀧図」と「茶の間」にある「断崖図」のふすま絵についての記事でした。
この記事が高野山金剛峯寺に訪問予定の方や千住画伯の襖絵に興味のある方の参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。